桜木星子の…タワゴト

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『檸檬』と丸善~京都ってまぁ~

初めて梶井基次郎の『檸檬』を読んだ時、思いました。
――まずいです。これって完璧なる業務妨害です。確信犯です。――

その舞台になった京都の本屋さん、丸善が、三代目としてオープンしました。場所は、四条河原町と三条河原町の間。同じく久しぶりにオープンしたファッションビルBALの地下にあります。

もう堪らないです。やはり丸善です。書店オススメとして前に陳列されている本のチョイスが他の本屋さんとは景色が違います。そして相変わらず洋書の数が多いのも「丸善だなぁ~」と懐かしく感じます。

『檸檬』の時代の初代・丸善はさすがに知りませんが、二代目の丸善にはよく行きました。本の他に、文具や雑貨も置いてありました。高級そうな万年筆、セルロイド製のきれいな筆箱、金色に光るペーパーナイフ、おしゃれな模様の封蝋などを見て、子どもの私は「こういうモノを使う大人って、お金持ちなんだろうなぁ…」なんて思ったものです(かなりの大人になりましたが…やはり縁がないようです…)。
そして『檸檬』の“私”同様、子どもの私には、入るのに勇気のいる、敷居の高い本屋さんというイメージがあったものでした。

現在の丸善。今はまだオープンで賑わっていますが、落ち着いたら、私にはちょうどいい具合の本屋さんになりそうです。重苦しくもなく、かと言って気軽過ぎず。至福の時を過ごせるお気に入りの一冊に、ゆっくりと出会えることでしょう。

山積みにされている『檸檬』の横に、バスケットが置いてありました。レモンはここへ。決して“私”の真似はしちゃいけませんよ。