桜木星子の…タワゴト

All about「宝塚ファン」ガイド・桜木星子のブログです

『檸檬』と丸善~京都ってまぁ~

初めて梶井基次郎の『檸檬』を読んだ時、思いました。
――まずいです。これって完璧なる業務妨害です。確信犯です。――

その舞台になった京都の本屋さん、丸善が、三代目としてオープンしました。場所は、四条河原町と三条河原町の間。同じく久しぶりにオープンしたファッションビルBALの地下にあります。

もう堪らないです。やはり丸善です。書店オススメとして前に陳列されている本のチョイスが他の本屋さんとは景色が違います。そして相変わらず洋書の数が多いのも「丸善だなぁ~」と懐かしく感じます。

『檸檬』の時代の初代・丸善はさすがに知りませんが、二代目の丸善にはよく行きました。本の他に、文具や雑貨も置いてありました。高級そうな万年筆、セルロイド製のきれいな筆箱、金色に光るペーパーナイフ、おしゃれな模様の封蝋などを見て、子どもの私は「こういうモノを使う大人って、お金持ちなんだろうなぁ…」なんて思ったものです(かなりの大人になりましたが…やはり縁がないようです…)。
そして『檸檬』の“私”同様、子どもの私には、入るのに勇気のいる、敷居の高い本屋さんというイメージがあったものでした。

現在の丸善。今はまだオープンで賑わっていますが、落ち着いたら、私にはちょうどいい具合の本屋さんになりそうです。重苦しくもなく、かと言って気軽過ぎず。至福の時を過ごせるお気に入りの一冊に、ゆっくりと出会えることでしょう。

山積みにされている『檸檬』の横に、バスケットが置いてありました。レモンはここへ。決して“私”の真似はしちゃいけませんよ。

御巣鷹山で星になった元タカラジェンヌ

終戦から70年。阪神淡路大震災地下鉄サリン事件から20年。今年は、どんなに想いを馳せても届かない、筆舌に尽くし難い苦痛や恐怖、悲しみを起こした天災や人災から節目の年です。
そして、多くの犠牲者の中に、元タカラジェンヌ北原遙子さんもいた日航機墜落から30年。

北原遙子さんは私の一期上の67期。67期には黒木瞳さん、涼風真世さん、毬藻えりさん、真矢みきさんなどきれいな方がたくさんいる期で、その中でも抜群の美しさや気品があったのが北原遙子さんでした。まるでフランス人形のように。雪組に在籍し、早くに退団されました。

その時、私のいた花組は『テンダーグリーン』という作品の稽古中でした。主役ソーンが不時着したところから始まる作品。だからなお、北原さんが乗っていた日航機墜落のニュースは、あまりにも残酷でした。特に、みきさん(真矢みきさん)ら同期生の憔悴した姿は、話しかけることもできないほど痛々しいものでし た。
もし在団していらしたなら、北原遙子さんはきっとトップ娘役になっていただろうし、30年前のあの日、日航機にも乗らなかったことでしょう。

『テンダーグリーン』の主題歌「心の翼」は、命の重さや尊さを表した歌で、この舞台を知らない多くの方々にまで長く愛されています。
CDにて歌ったのは、当時の花組二番手の大浦みずきさん。幸せなことに私はバックコーラスで参加させていただきました。

そして大浦みずきさんも、2009年、お亡くなりになりました。

大浦みずきさんへ… [宝塚ファン] All About

だから「心の翼」は大好きだけど、大浦みずきさんと北原遙子さんを思い出してしまう悲しい歌でもあります。

 

先日家族で長崎へ旅をしました。平和公園浦上天主堂でお祈りをし、大浦天主堂にも行きました。クリスチャンであった大浦みずきさんが、そこにいらっしゃるような気がして…ね。

 

辛く悲しい祈念の年。
忘れないため、再び起こさないため、できることを娘たちと考えた夏です。

読売新聞で連載「桜木星子の名作劇場」をやっています

4月より毎月一回、読売新聞(関西版・夕刊)で、「桜木星子の名作劇場」という連載を書かせていただいております。4月は『風と共に去りぬ』、5月は『星影の人』、6月は『ME AND MY GIRL』。100年余りに上演された数え切れない作品は、どれもが名作ですが、そこはココロを鬼にして、記者さんと相談しチョイスしております。

時を経ても、何度も再演される作品。観劇する側の年齢や気分、キャストによって、新たな感動はもちろんのこと、新たな解釈もあります。まだ小学生のガキの頃は「男の人は、スカーレットみたいに強い女の人を好きになるんだわぁ~」なんて感心しちゃうわけです。それがやがて「バトラーって、ほんと、救いようのないバカだわさ…。でもそこが、男の可愛いところなんだわさ…」となるわけです。
与え方も受け取り方も毎回違うから、面白いし、何度も再演しても新鮮なのでしょうね。

さて本日発行の7月号は『ノバ・ボサ・ノバ』。大好きです。私の中で神ショーです。
書くにあたって、何本か映像を見返しました。霧矢大夢さん主演の月組新人公演バージョンを見たあとに、柚希礼音さん主演の星組バージョンを見ました。いやぁ~感動するよ…。あの元気溌剌なドアボーイが、セクシーで精悍なソールになっているのだから。長年応援しているファンはどれだけうれしいことか。
出演者の成長がダイレクトに感じられる……。そこも再演の醍醐味ですね。

 

 

浅田真央ちゃんの復帰が嬉しい2枚の写真

私はバックの中に、1枚の新聞記事の切り抜きを入れてあります。
浅田真央ちゃんのソチ五輪フリーの切り抜き。
演技のラスト、ブルーの衣装で、上を向いて涙をこらえている写真。
ショートで16位だった真央ちゃんが、フリーですべてのジャンプを完成させ、自分を出し切った姿。
これを見ると、どんなことも頑張れそうな気がして。お守りのような切り抜きです。

真央ちゃんの復帰、嬉しいですね~
休養発表の頃は「うん。休んでいいよ。もう充分頑張ったんだから」なんて思ったけれど、試合の場に真央ちゃんの姿がないと淋しい。
やっぱり真央ちゃん、まだまだ観たいです。

もう1枚、お守りの写真があります。
昨年の暮れ、父から驚きのメールが届きました。真央ちゃんとツーショットの写真。
写真嫌いの父が、孫と撮るよりも嬉しそうな満面の笑みでした。
話を聞くと、ある席で真央ちゃんとご一緒し、撮っていただいたのだそうで。
真央ちゃんは、可愛らしくも上品な和服姿でした(帯にサンタクロースの模様!)。

その席とは、休養中に真央ちゃんが始めたお稽古事に関する席。
そのお稽古を知り驚き。スケートとは程遠いようで、だけどスケートにも必ずプラスになるものでした。
もっと驚いたのは、真央ちゃん、そのお稽古の先生を自分で探したということ。真央ちゃんクラスの人なら「私、○○やってみたいなぁ~」と言えば、周りがセッティングするでしょうに。なのに真央ちゃん、ネットで調べて、自分で門をたたいたそうで。
そのフットワークと、奢りのなさに感心しました。

他にも真央ちゃん、これまで出来なかったこと、やってみたかったことを貪欲にやったことでしょうね。
初めのうちは、それはそれで楽しいのだけれど、きっと物足りなさを感じ、寂しさも感じ…。求めているもの、1番やりたいものがわかり…。
だからこその「100%復帰したい!」という結果。
真央ちゃんが自分で感じ選び、笑顔で発表した復帰ニュースを、本当にうれしく思います。

 

宝塚の生徒も退団したら、まずは一休みし、「これまで出来なかったこと、やってみたかったこと」をアレコレやり始めます。
先日退団した伝説のトップスター、柚希礼音さんも、きっとそうかな。

 

allabout.co.jp

 

稲垣吾郎さんの半同居人ヒロくんで思い出した、100年の重み「宝塚歌劇団同窓名簿」

SMAP稲垣吾郎さんの半同居人ヒロくんが話題になっています。そういえば、コンサートのトークでも「ヒロくん」のお名前は出ていて気になっていましたが、元星組・三城礼さんのご主人とは! 驚き! 
三城礼さんは私の二期上級生ですが、大きな瞳のとってもきれいな方、かっこいい男役さんでした。愛称、きょうちゃん。
バウホール公演『パペット』(正塚晴彦先生作)で主演もされたなぁ~。確か相手役はシギちゃん(元星組トップ娘役・毬藻えりさん)。きょうちゃん、お芝居の上手い方でした。


吾郎ちゃんファンじゃなくとも「ヒロくんのあの豪邸はどこなんだろう…」なんてことは誰もが思ってしまうことで、探してしまったのが、宝塚歌劇団同窓名簿。
これは10年ごとに宝塚歌劇団から卒業生に送ってくる名簿。
大正2年に入学した一期生から全員の氏名や現在姓、住所etcが掲載されています。現役生徒さんは、本名も住所も掲載されていません。

f:id:seiko_sakuragi:20150325102220j:plain

 

もちろん門外不出。中には、女優さんとして活躍していらっしゃる方もいます(ま、事務所を載せている人が多いけど)。夫や息子や娘が芸能人、アイドルなんて方もいます。個人情報満載。外部の人に見せる元タカラジェンヌなんていません!


退団したら貰える名簿なので、平成元年に退団した私は、80周年、90周年、そして今回の100周年と三冊持っています。
どんどんと故人が増え、初期の頃の上級生には連絡先のわからない方が増えてきました。淋しいですが、仕方のないことですね。
そしてあきらかに違うのは厚さ。当たり前ですが、10年で約400名分増えるので、厚くなってきました。
これが100年の重みということかな。宝物です。


で、ヒロくんの豪邸はどこなんだ?って? 言うわけないでしょ。